結論
小規模米農家において、
家族経営は「安定」、一人農業は「自由だが限界が早い」。
利益の最大化だけを見るなら一人でも可能。
しかし、規模拡大・繁忙期対応・精神的余裕を考えると、家族経営のほうが長期的には有利になる可能性が高い。
ただし、家族=無償労働と考えると崩壊する。
前提条件(1反あたり利益17万円想定)
これまでの記事と同じ前提で整理します。
・1反あたり利益:17万円
・10反で170万円
・労働時間:1反あたり年間約30〜40時間
10反の場合、年間作業時間は約300〜400時間。
数字だけ見ると、
「一人で余裕では?」
と思える。
ここに落とし穴がある。
一人農業と家族経営の比較
| 項目 | 一人農業 | 家族経営 |
|---|---|---|
| 労働力 | 自分のみ | 2人以上 |
| 繁忙期対応 | 限界が早い | 分担可能 |
| 体調不良時 | ほぼ停止 | カバー可能 |
| 拡大スピード | 遅い | 速い |
| 人件費 | 0円 | 実質0〜報酬分配 |
| 精神的余裕 | 低め | 高め |
一人農業の限界
① 繁忙期が一点集中
田植えと収穫期は短期決戦。
ここで機械トラブルや天候不良が起きると、一人では詰む可能性がある。
10反までは何とかなる。
しかし15反、20反になると日程の余裕がなくなる。
拡大が難しい理由はここ。
② 体調リスク=事業停止
風邪、怪我、家族の用事。
一人農業は代打がいない。
これはサラリーマンよりリスクが高い。
③ 精神的な孤独
農業は基本的に単独作業。
判断も責任も全部自分。
これが地味に効いてくる。
家族経営の強さ
① 繁忙期の分散
田植え、草刈り、収穫、袋詰め。
役割分担できるだけで
作業効率は1.5倍〜2倍になる。
② 規模拡大が現実的になる
例えば20反。
利益は340万円。
一人だとギリギリだが、2人なら余裕が出る。
ここで初めて
「専業ライン」が見えてくる。
③ 心理的安定
相談相手がいる。
トラブル時に共有できる。
これは想像以上に大きい。
ただし、家族経営にも罠がある
・役割が曖昧
・報酬が不透明
・感情が経営に入る
これを放置すると、
利益より関係が壊れる。
家族経営が強いのは、
“経営として割り切れる場合のみ”。
現実的な正解
小規模米農家(5〜10反)なら
一人でも十分可能。
10反超えを目指すなら
家族または協力者が必要。
そして最強なのは、
基本は一人+繁忙期だけ手伝いを確保する形。
固定人件費を持たず、
労働ピークだけ分散させる。
これがリスク最小。
まとめ
・一人農業は自由だが限界が早い
・家族経営は安定するが感情リスクあり
・10反が一つの分岐点
・最適解は「柔軟型」
米農家は規模より構造。
人の配置をどう考えるかで
10年後が決まる。

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