結論|小規模米農家が利益を伸ばす正解は「面積」ではない
小規模米農家が利益を伸ばす正解は、規模拡大ではない。
本当に優先すべきなのは、
①コスト固定化を避けること
②作業時間を増やさないこと
③単価を下げない売り方を選ぶこと。
この3つを押さえずに面積だけ増やすと、売上は増えても時給は下がり、結果的に「米づくりは儲からない」という状態に陥る。
前提|小規模米農家の利益はどこで決まるのか
小規模(2〜10反程度)の米農家では、
- 反収の差
- 米価の上下
よりも、
どれだけ無駄なコストと作業時間を背負っているかで利益が決まる。
初心者が抱きやすい誤解は以下の通り。
- 面積を増やせば儲かる
- 高級米を作れば単価が上がる
- 機械を揃えれば楽になる
しかし現実には、これらがそのまま失敗の引き金になることが多い。
利益を左右する3つの要素を整理する
小規模米農家が触れるポイントは、大きく3つある。
| 要素 | 伸ばしやすさ | 失敗リスク | 小規模向き |
|---|---|---|---|
| 規模(面積) | △ | 高い | △ |
| 単価(売り方) | ○ | 中 | ◎ |
| 作業効率 | ◎ | 低 | ◎ |
小規模ほど「単価」と「作業効率」に集中した方が、再現性が高い。
規模拡大で利益を伸ばそうとすると失敗しやすい理由
小規模農家が面積を増やすと、次の問題が一気に表面化する。
- 機械能力が足りなくなる
- 作業が天候に左右されやすくなる
- 乾燥・調製・作業委託が増える
- 固定費と変動費が同時に膨らむ
特に危険なのが、
「あと2〜3反ならいけそう」という中途半端な拡大。
この段階で機械を買い足すと、
利益はほとんど増えず、責任と作業量だけが増える。
小規模米農家が最優先で見るべきは作業時間
これまでの記事でも触れてきた通り、
米農家の本当の敵はコストではなく作業時間。
例として、1反あたりの数字を見ると違いは明確。
- 利益17万円・作業60時間 → 時給約2,800円
- 利益17万円・作業90時間 → 時給約1,900円
売上が同じでも、
作業時間が増えた瞬間に副業としては成立しなくなる。
利益を伸ばすとは、
「売上を増やすこと」ではなく
作業時間を増やさない判断をすること。
単価は「上げる」より「下げない」が正解
初心者ほど「直販で高く売らなきゃ」と考えがちだが、
これは小規模農家にとって危険な発想。
現実的な戦略は以下の通り。
- 無理なブランド化はしない
- 手間が増える売り方は選ばない
- JA価格+αを安定して取る
単価を上げにいくより、下げない方が圧倒的に楽で安全。
1年目から
- パッケージ
- EC販売
- SNS発信
を同時にやると、作業もメンタルも先に限界が来る。
やらなくていい努力を切るのが一番効く
小規模農家ほど、真面目に「全部やろう」としてしまう。
しかし、利益を圧迫しやすい努力も多い。
- 見た目100点を目指す
- 毎年違う肥料や農薬を試す
- 完璧な理論を追い続ける
- 採算の合わない直販対応
80点で安定させる方が、結果的に利益は残る。
小規模米農家が触ると危険なポイント
特に注意したいのは次の3つ。
- 売り先を決める前に作り始める
- 先に機械を買う
- 規模拡大を正解だと思い込む
これはほぼ
撤退ルートのテンプレになりやすい。
まとめ|小規模は不利ではなく、判断次第で一番自由
小規模米農家が利益を伸ばすための考え方はシンプル。
- 無理に面積を広げない
- 作業時間を最優先で減らす
- 単価は上げるより下げない
- やらなくていい努力を切る
小規模農家は不利ではない。
判断を間違えなければ、最も自由でリスクの低い立場でもある。


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