米づくりの準備を進める中で、やっぱり気になるのが**「お米ってどのくらいの収入になるの?」**という現実的な部分ですよね。
今回は、福岡県朝倉市で来年から2反ほどの田んぼで米づくりを始める予定の私が、実際の農家さんや地域の方に聞いた話をもとに、1反あたりの売上と経費をざっくり計算してみました。
◆ そもそも「1反」ってどのくらいの広さ?
「1反(いったん)」という単位、普段の生活ではあまり耳にしませんよね。
1反は約1,000㎡(10アール)、つまり20m × 50mくらいの大きさです。
テニスコート4個分ほど。
一見小さく感じますが、実際に田んぼで作業してみると、1反でもかなりの広さです。

草刈りや田植え、収穫などを自分たちでやるとなると、2人でも1日仕事になることも。
農業を始めてみると、面積の数字以上に“手間”の重みを感じます。
◆ 1反あたりの収穫量は?
地域や品種、天候によって差はありますが、福岡県朝倉市周辺では
**1反あたりおよそ17俵(1俵=30kg)**の収量が目安です。
17俵というと、30kg×17=510kg。
これが1反でとれるお米の量になります。
この数字は肥料の使い方や田んぼの管理次第で増減しますが、初心者としてはまずこの「17俵」を基準に考えるのが現実的です。
◆ 売上を計算してみる
次に、お米の販売価格を見てみましょう。
一般的な相場として、農協(JA)に出荷する場合は1俵あたり12,000〜14,000円ほど。
一方、**個人販売(直販)**なら15,000円前後で販売できるケースもあります。
ここでは、1俵=15,000円として計算してみます。
- 1反あたりの収量:17俵
- 1俵あたりの価格:15,000円
👉 17俵 × 15,000円 = 255,000円/反
つまり、1反の田んぼからお米を販売したときの売上は約25万5千円になります。
2反作れば単純計算で約51万円。
思っていたより多いようにも感じますが、ここから経費が引かれます。
◆ 経費はいくらかかるのか?
お米づくりにかかる主な経費をざっと挙げると、次のようになります。
- 苗代(購入または育苗)
- 肥料代、除草剤などの資材費
- 水路や畦の管理費用
- トラクターや田植え機などの機械費(購入・リース・燃料など)
- 乾燥・調製・袋詰めなどの経費
- 電気代・軽油代 など
地域や作業方法によって大きく変わりますが、農家さんたちに聞いたところ、
1反あたり75,000〜85,000円程度が目安とのことでした。
その内訳をざっくり見るとこんな感じです👇
項目 | 概算費用(1反あたり) |
---|---|
苗・肥料・農薬など | 約20,000円 |
機械のリース・燃料 | 約30,000円 |
乾燥・調製など | 約25,000円 |
合計 | 約75,000〜85,000円 |
もちろん、自前の機械を使うか、共同利用・リースにするかで大きく変動します。
農業を始めたばかりの私は、今のところ「おじさんのトラクターを借りて使わせてもらう」形なので、初期費用をだいぶ抑えられています。
◆ 差し引きしてみると…?
さて、ここまでの数字をまとめてみましょう。
項目 | 金額(1反あたり) |
---|---|
売上 | 255,000円 |
経費 | 75,000〜85,000円 |
利益(おおよそ) | 170,000〜180,000円 |
つまり、1反でおおよそ17〜18万円の利益が見込めます。
これを2反で作れば、年間34〜36万円ほどの収入になる計算です。
ただし、これはあくまで「数字上の話」。
実際は天候による不作、機械トラブル、草刈りや用水の維持など、目に見えない手間やリスクもあります。
「想像より儲かる」でもなく、「全然ダメ」でもなく、地道に積み重ねる仕事というのが正直な印象です。
◆ 現実を知ってこそ、工夫の余地が見える
数字にしてみると、米づくりが決して「楽な商売」ではないことがわかります。
ですが、工夫次第で利益を伸ばす余地は十分にあるとも感じました。
たとえば、
- 直販やオンライン販売でリピーターを増やす
- 精米やパッケージにこだわって付加価値をつける
- 農薬を抑えた栽培や無農薬米で差別化する
地域の農家さんたちもそれぞれ工夫を重ねていて、
「同じ田んぼでも売り方次第で全然違うよ」とよく言われます。
まさにその通りで、**“売り方も農業”**なんだなと実感しています。
◆ まとめ:数字で見る米づくりのリアル
今回の計算をまとめると、
- 1反=約1,000㎡(テニスコート4個分ほど)
- 収量は17俵(約510kg)
- 売上:約255,000円/反
- 経費:約75,000〜85,000円/反
- 利益:約170,000〜180,000円/反
この数字をもとに、来年の栽培計画や販売方法を練っていく予定です。
少しずつですが、数字で見えるようになると、米づくりの全体像がぐっとリアルに感じられるようになってきました。
◆ 最後に
今回の数字はあくまで「ざっくり」です。
でも、実際に自分で計算してみると、米づくりの現実が少し見えてきます。
最初の1年は、利益よりも経験を積む年。
少しずつ作業に慣れ、コストのかかる部分を見つけて改善していくことで、
次第に自分らしい“経営の形”が見えてくると思います。
「1反でこのくらい」という感覚を持つことが、
これからの一年計画づくりにもきっと役立つはずです🌾
コメント