結論:小規模米農家の時給は「思ったより悪くない」が、誰でも楽に稼げるわけではない
結論から言うと、
小規模米農家の時給は、工夫次第で1,000〜1,500円程度になる可能性があると考えています。
ただしこれは、「すべてが順調にいった場合」の話です。
作業効率が悪かったり、トラブルが続いたりすると、時給は一気に下がります。
逆に、機械や作業をうまく最適化できれば、数字はまだ伸ばせる余地があります。
今回は、私がこれまでの記事で出してきた
「1反あたりの売上・経費・利益」をもとに、
それを時給換算するとどうなるのかを、かなり現実的に整理してみます。
前提条件:今回の時給計算で使う数字
まずは、今回の計算で使う前提条件を整理します。
これはあくまで「初心者が、一般的なやり方で米づくりをした場合」を想定しています。
- 作付面積:1反(約1,000㎡)
- 収量:17俵(1俵30kg)
- 販売単価:15,000円/俵(JA出荷想定)
- 売上:255,000円/反
- 経費:75,000〜85,000円/反
- 利益:170,000〜180,000円/反
この数字は、以前の記事でも使ったものと同じです。
問題はここからで、
「この利益を得るまでに、何時間働いているのか?」
これをちゃんと考える人は、意外と少ないです。
作業時間を洗い出す(1反あたり)
次に、1反あたりの作業時間をざっくり洗い出します。
完璧な数字ではありませんが、初心者目線ではかなり現実的だと思います。
| 作業内容 | 作業時間(目安) |
|---|---|
| 育苗・準備 | 3時間 |
| 田起こし・代かき | 2時間 |
| 田植え | 1時間 |
| 水管理(シーズン通算) | 8時間 |
| 草刈り・畦管理 | 5時間 |
| 防除・追肥 | 2時間 |
| 稲刈り・運搬 | 2時間 |
| 乾燥・調製の立ち会い等 | 2時間 |
| 合計 | 25時間前後 |
※ 機械作業は「自分でやる前提」、
※ 草刈りは一番ブレやすいので少し多めに見ています。
時給換算してみた結果
ここで、利益を作業時間で割ってみます。
- 利益170,000円 ÷ 25時間 = 時給6,800円
- 利益180,000円 ÷ 25時間 = 時給7,200円
この数字を見ると、
「え、めちゃくちゃ高くない?」
と思うかもしれません。
ただし、ここで注意点があります。
この「時給」が高く見える理由
この時給は、あくまで「実作業時間だけ」で割った数字です。
米農家の場合、
- 機械の準備・片付け
- 移動時間
- 天候待ちのロス
- トラブル対応
- 勉強・情報収集
こういった時間は、数字に入っていません。
これらを含めて考えると、
実際の拘束時間は1.5〜2倍になることが多いです。
仮に50時間で割り直すと、
- 170,000円 ÷ 50時間 = 時給3,400円
- 180,000円 ÷ 50時間 = 時給3,600円
それでも、決して低い数字ではありません。
ただし「反数が少ない人ほど不利」なのが現実
ここで重要なのが、
1反だけ、2反だけの超小規模農家ほど時給は下がりやすいという点です。
理由はシンプルで、
- 機械の準備・移動時間は反数が増えてもあまり変わらない
- 水管理や見回りは、まとめてやった方が効率がいい
つまり、
**反数が増えるほど「時給は上がりやすい構造」**になっています。
このあたりは、以前書いた
「規模別利益比較」の記事とも強くつながります。
米農家の時給を上げるために意識すべきこと
小規模米農家が時給を上げるために、特に重要だと感じているのは次の3つです。
① 作業時間を「なんとなく」で終わらせない
何に何時間かかっているのかを、一度書き出すだけで無駄が見えます。
② 機械を「全部自前」にしない
使用頻度の低い機械は、借りる・委託する方が結果的に時給が上がることも多いです。
③ いきなり大規模を目指さない
最初は「今の規模で、どれだけ効率化できるか」を考える方が安全です。
まとめ:米農家の時給は「考え方次第」で大きく変わる
米農家の時給は、
- 低すぎて話にならない、というわけでもなく
- 何も考えなくても高収入、というわけでもない
かなり「やり方次第」な世界だと感じています。
特に小規模農家の場合、
「売上」よりも「時間の使い方」を意識することで、
同じ面積でも結果は大きく変わります。
これから米づくりを始める人は、
ぜひ一度、利益を時給換算して考える視点を持ってみてください。


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