正直に言うと、農業をやろうと決めた時点で、自分にはほとんど知識がありませんでした。
農家の家に生まれたわけでもなく、子どもの頃に田んぼを手伝った経験もありません。本当に「農業知識0」の状態です。
それでも、来年から米づくりを始めようと決めました。
なぜ野菜でも果樹でもなく米なのか。なぜ不安があるのにやろうと思えたのか。この記事では、考えたことを順番に整理しながら書いていきます。
最初に考えたのは「生活と両立できるか」
一番最初に考えたのは、自分の生活と両立できるかどうかでした。
農業について調べ始めた頃、野菜農家の話を多く目にしました。毎日の収穫と出荷、天候に左右される作業、休みの取りづらさ。やりがいは大きそうですが、正直それを長期間続けられる自信はありませんでした。
その点、米づくりは忙しい時期がある程度決まっています。田植え前後、草管理、稲刈り前後は確かに大変ですが、逆に言えば、何もない時期もはっきりしています。
会社員としての仕事や家族との時間を考えたとき、作業が一年中分散している農業よりも、季節に集中している米の方が、自分の生活には合っていると感じました。
農業知識がないからこそ「数字で考えたかった」
次に大きかったのが、数字で考えやすいという点です。
米は、1反あたりの収量や相場、必要経費の目安がある程度見えています。もちろん年によるブレはありますが、まったく先が読めない世界ではありません。
実際に自分で調べて計算してみると、1反あたりの売上、経費、利益の目安が見えてきました。うまくいった場合だけでなく、収量が落ちた場合や米価が下がった場合も想定できたのは大きかったです。
経験や勘に頼れないからこそ、数字で判断できる作物を選びたい。その考えに一番合っていたのが米でした。
小規模から始められるという安心感
米を選んだ理由として、小規模から始められる点も外せません。
いきなり大きな面積で始めなくても、1反、2反と少しずつ増やしていくことができます。仮に初年度が思ったようにいかなかったとしても、生活が一気に立ち行かなくなるほどのリスクにはなりにくいと感じました。
副業や兼業という形でも成立しそうだと思えたことは、初心者にとってかなり大きな安心材料でした。
なぜ朝倉市で米づくりをやろうと思ったのか
場所についても、かなり悩みました。
自分がやろうとしている朝倉市周辺は、昔から米づくりが盛んな地域です。水や土地の条件だけでなく、周りに普通に米農家がいる環境は、初心者にとって大きな支えになると感じました。
分からないことだらけだからこそ、米づくりが当たり前に行われている地域で始めたい。背伸びをせず、基本を積み重ねられそうだと思えたのが理由です。
米を選んだ理由を整理すると
ここまで書いてきた理由を、簡単に表にまとめてみます。
| 視点 | 米を選んだ理由 |
|---|---|
| 生活との両立 | 作業時期が集中しており予定を立てやすい |
| 数字の見通し | 1反あたりの収量・経費・利益を把握しやすい |
| 規模 | 小規模から始められ、失敗時のリスクが比較的低い |
| 地域性 | 朝倉市は米づくりが根付いており相談しやすい環境 |
それでも残っている正直な不安
もちろん、不安がなくなったわけではありません。
天候によって収量が大きく変わることもあるし、米価が下がる可能性もあります。草管理や水管理など、実際にやってみないと分からない大変さも多いはずです。
それでも、「最悪どこまでなら耐えられるか」を数字で考えたとき、致命的なリスクではないと判断できたことが、最後の後押しになりました。
このブログでこれから書いていくこと
このブログでは、うまくいった話だけを書くつもりはありません。
失敗したこと、想定と違ったこと、正直しんどかったことも含めて、そのまま書いていこうと思っています。
農業知識0の自分が、米農家としてどこまでできるのか。その過程を記録することが、このブログの目的です。
同じように農業に興味はあるけれど、一歩踏み出せずにいる人にとって、少しでも参考になる情報を残していけたらと思っています。

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