「米農家って、最初の年から黒字にできるの?」
これから農業を始めようとしている人なら、一度は気になる疑問だと思います。
結論から言うと、
やり方次第では黒字は可能。ただし、何も考えずに始めると赤字になりやすい
これが、準備の一年を過ごしてきた今の正直な感覚です。
今回は、未経験から米づくりを始める前提で、
初年度の現実的な収支シミュレーションを数字ベースで整理してみます。
米農家が初年度に赤字になりやすい理由
まず、なぜ「最初は赤字」と言われがちなのか。
理由はシンプルで、
収穫前にお金がどんどん出ていくからです。
- 苗代・肥料・農薬
- 機械の購入・修理・燃料
- 乾燥・調製・出荷費用
一方、売上が入るのは秋以降。
このズレを理解していないと、「思ったよりお金が残らない」と感じやすくなります。
前提条件(今回のシミュレーション)
今回は、これまでブログでも使ってきた数字をベースにします。
- 1反=約1,000㎡
- 収量:17俵/反
- 1俵(30kg):15,000円
- 売上:255,000円/反
- 経費:75,000〜85,000円/反
※JA出荷を基本とし、直販はまだ本格化していない想定です。
初年度・反数別の収支シミュレーション
初年度の目安(機械は地域・リース・中古を活用)
| 作付面積 | 売上 | 経費 | 利益目安 |
|---|---|---|---|
| 2反 | 約510,000円 | 約160,000円 | 約350,000円 |
| 3反 | 約765,000円 | 約240,000円 | 約525,000円 |
| 5反 | 約1,275,000円 | 約425,000円 | 約850,000円 |
| 10反 | 約2,550,000円 | 約850,000円 | 約1,700,000円 |
※ 機械を一気に新品購入した場合は、この限りではありません。
【楽天1位獲得★】ハイガー エンジン式刈払機 草刈機 26cc 2サイクル 両手ハンドル チップソー 軽量 HG-BC260 1年保証 価格:19800円~ |
初年度から黒字になる人の特徴
実際にシミュレーションしてみて、
黒字になりやすい人の共通点ははっきりしています。
① いきなり機械を買わない
- 借りる・共同利用・リースを活用
- 「全部自分で揃えない」
② 規模を欲張らない
- まずは管理できる反数から
- 失敗しても致命傷にならない範囲
③ 収支を最初から数字で考えている
- 「なんとなく」ではなく
- 反あたり利益を把握している
初年度に黒字にならないケース
逆に、赤字になりやすいのはこんなケースです。
- 新品機械を一式購入
- 作業を外注しすぎる
- 収量が安定しないまま規模拡大
この場合、**初年度は“投資の年”**と割り切る考え方も必要になります。
初心者が現実的に狙うべきライン
未経験スタートなら、
**初年度は「大きく儲ける」よりも「黒字で終わる」**を目標にするのが現実的です。
- 2〜3反:農業に慣れる+小さく黒字
- 5反前後:副収入としてしっかり実感
- 10反以上:経営としての判断が必要
準備の一年を過ごして感じるのは、
黒字かどうかは、作る前にほぼ決まっているということです。
まとめ:米農家は最初から黒字にできるのか?
答えは、
「条件が揃えば、十分に可能」。
ただし、
- 数字を知らずに始める
- いきなり完璧を目指す
この2つをやると、黒字は遠のきます。
小さく始めて、数字を見て、経験を積む。
それが、未経験から米農家になる一番現実的なルートだと思います。




コメント