◆はじめに|小さな農家こそ「1本足経営」は危険
米農家を始めようとすると、どうしても
「米だけで食べていけるか?」
という発想になります。
しかし、現実は “米だけの収入”は価格変動・天候リスクに弱い という面があります。
そこで多くの農家が取り入れているのが、
米+何か(複数の作物・事業)で収入を安定させる方法=複合経営です。
実は、小規模農家こそ相性が良く、
あなたの目指すスタイルともぴったり一致します。
この記事では、
「米+○○」の具体例・メリット・注意点 を
初心者目線でわかりやすく紹介します。
複合経営とは?わかりやすく一言で言うと…
収入源を2つ以上にして、リスクを分散させる農業経営。
シンプルですが、効果は絶大です。
◆米農家が複合経営を取り入れるメリット
✔ 米価格の変動に左右されにくくなる
→ 収穫量が減った年でも、他の収入源が支える。
✔ 収入が年間通して発生する
→ 米は秋に集中、他の作物や事業で“空き時間”を使える。
✔ 小規模農家でも取り組みやすい
→ 大規模機械や大きな初期投資が不要なものも多い。
◆「米+○○」で相性が良い複合経営一覧
複合経営の組み合わせ例
| 組み合わせ | 特徴・メリット | 初期費用 | 年間の収入性 | 初心者向き度 |
|---|---|---|---|---|
| 米+麦(小麦・大麦) | 作業時期がズレて相性が良い | 中 | 高 | ★★★★☆ |
| 米+大豆 | 国の支援が手厚い地域も多い | 中 | 中 | ★★★☆☆ |
| 米+野菜(露地) | 年間収入が増える、直販とも相性◎ | 中〜高 | 高 | ★★★☆☆ |
| 米+加工品(米粉・餅・ポン菓子など) | 単価アップ、SNSと相性◎ | 低〜中 | 高 | ★★★★☆ |
| 米+直販・通販 | 安定的なリピーター収入 | 低 | 高 | ★★★★★ |
| 米+青果の委託販売(JA・直売所) | 小規模でも始めやすい | 低 | 中 | ★★★★★ |
| 米+貸し農園(市民農園) | 小規模でも安定収入 | 低〜中 | 中 | ★★★★☆ |
| 米+農業体験・イベント | SNSと連動して集客しやすい | 低 | 中 | ★★★★☆ |
| 米+果樹(ゆず・ブルーベリーなど) | 長期で大きな収入になる | 高 | 高(数年後) | ★★☆☆☆ |
ここからは、「現実的で始めやすい4選」を深掘りしていきます。
① 米+直販(オンライン販売)|最も確実に利益が増える組み合わせ
SNS × 直販は、複合経営として非常に強い選択です。
✔ メリット
- 単価を自分で決められる
- リピーター収入が安定しやすい
- SNSストーリーで「農家の1年」を見せられる
- 中間マージンがない
✔ 向いている理由
ブログ・SNSを活用することで、
「買いたい人を全国から集める」ことができる。
最初に取り組む複合経営としてベストです。
② 米+麦|一番シンプルで相性バツグン
麦は福岡の農業とも相性が良く、
米との作業時期がほぼズレているため、
体力的にも精神的にも無理が少ない複合経営です。
✔ メリット
- 機械の流用ができる
- 冬の農地を有効活用できる
- 国や地域の支援制度が多い
✔ 注意点
- 収穫時期は雨が多いと大変
- 乾燥・集荷のタイミングがタイト
③ 米+大豆|補助金メリットも大きい
地域によっては
大豆作付への加算支援が出るため、
小規模農家でも固定収入を得やすいです。
✔ メリット
- 麦ほど手がかからない
- 稲作と同じ圃場を使える
- 土作りにも良い
✔ 注意点
- 収量が天候に左右されやすい
- 草管理が大変
④ 米+露地野菜|直販と組み合わせると強い
たとえば
- 玉ねぎ
- ニンジン
- 白菜
- ほうれん草
などは、米農家でも取り組む例が多いです。
✔ メリット
- 年間で複数回の収穫があり、現金収入が増える
- 米の直販とセット販売できる
- SNSでの発信ネタが増える
✔ 注意点
- 天候リスクが米以上
- 草管理・害虫対策が必要
- 時間が取られるので規模は控えめがベスト
◆複合経営のコツ|小規模農家こそ“やりすぎない”
複合経営と言うと、
「たくさん作らないといけない」と思いがちですが、
実は逆。
複合経営は “1+1=2ではなく1.2〜1.5” くらいを目指せばOK。
最初から拡大しない方が成功します。
✔ コツ
- 米の作業を最優先にする
- 時間の負担が少ない組み合わせから始める
- 初期費用が低いものを選ぶ
- SNS・直販は早めに動いておく(ファンづくり)
◆まとめ|米農家の収入を安定させる最短ルートが“複合経営”
複合経営は、
米1本では不安定になりがちな収入を補い、リスクを減らす最強の手段です。
あなたが来年から本格的に米づくりを始めるなら、
まずは 「米+直販」 を土台にし、
次に麦・大豆・露地野菜など
“無理のない範囲で広げる” という形がベスト。
米農家として長く続けていくための
大事な一歩になるはずです。



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