米づくりの経費は「どれが固定費で、どれが変動費なのか」が分かるだけで、
経営の全体像が一気にクリアになります。
初心者のうちは「全部経費なんとなくかかるもの」という感覚になりがちですが、
実はこの分類を意識するだけで
- どこを節約すべきか
- どこに投資すべきか
- 規模を広げたとき何が増えるのか
が見えるようになります。
この記事では、小さな米農家目線で、固定費と変動費をできるだけ具体的にまとめました。
◆固定費と変動費の違い(超シンプル解説)
- 固定費=作付け面積が増えてもほぼ変わらない費用
- 変動費=作付け面積が増えるほど比例して増える費用
米農家はこの2つのバランスを理解しておくと、
「どこまで作付けを増やしたら利益が伸びるか」がわかります。
◆小さな米農家の固定費・変動費の例(表で整理)
●固定費(毎年ほぼ変わらない)
| 項目 | 内容 | 金額目安 |
|---|---|---|
| 農機具の購入費(減価償却) | トラクター・田植え機などを数年に分けて計上 | 年5〜20万円 |
| 車両費 | 軽トラの維持費(車検・税金) | 年3〜5万円 |
| 施設費 | 倉庫・乾燥機庫など | 年数千〜数万円 |
| 保険料 | 農業保険など | 年数千〜数万円 |
| 通信費 | スマホ、農業アプリなど | 年1〜2万円 |
●変動費(作付け面積に比例)
| 項目 | 内容 | 1反あたり目安 |
|---|---|---|
| 苗代 | 種籾・苗購入代 | 約10,000〜12,000円 |
| 肥料代 | 基肥・追肥など | 約6,000〜8,000円 |
| 農薬代 | 除草剤・殺菌剤など | 約3,000〜5,000円 |
| 乾燥・調製費 | 収穫後の費用 | 約25,000円 |
| レンタル機械代 | 借りた場合(耕運・代かき・収穫など) | 反当で異なる |
| ガソリン・軽油 | 作業量に比例 | 約3,000〜5,000円 |
◆固定費が高いとどうなる?
小さな農家は固定費を上げすぎると赤字になりやすいです。
例:トラクターを自前で買う
→ 作付け面積が2反だと採算が合いにくい
→ 5〜10反になると「固定費を割れる(回収できる)」ようになる
初心者が最初の数年で気をつけるポイントはここです。
◆変動費は“減らせるけどゼロにはできない”
苗・肥料・農薬・乾燥などは、生産性を落とさずに削ることは難しい部分。
ただし工夫次第で最適化できます。
例:
- 肥料は地域の共同購入(安くなる)
- 乾燥は農家仲間の設備を借りる
- 農薬は適切なタイミングで最小回数に抑える
◆初心者がまず理解すべきポイント3つ
1. 最初は機械は“借りてOK”
買うと固定費が一気に跳ね上がります。
最初の1〜3年は規模が小さいためレンタルの方がコスパが良いです。
2. 変動費は「反あたり」で把握する癖をつける
あなたのブログでも紹介してきた通り、
1反あたりの利益を把握するのが基本。
変動費がわかっていれば、規模を増やしたときのイメージがつきやすいです。
3. 固定費の“回収ライン”を知ると経営判断がしやすい
何反作れば黒字になるのか
→ 固定費 ÷(1反あたり利益)=必要な作付け面積
これがシンプルな判断基準になります。
◆まとめ:固定費を抑えて、変動費を反あたりで把握するのが第一歩
小さな農家の最初の数年は、
いかに固定費を上げすぎず、変動費を正確に把握するかが大切です。
この考え方を身につけておくと、
機械を買う判断・規模を広げる判断・直販を増やす判断など、
すべてがクリアになります。




コメント