(後編)10年以上作っていない田んぼは復活できる?― 壊れた畔の補修・表土の整地・測量までの“リアルな作業記録” ―

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10年以上放置されていた田んぼの再生。
前編では「実際に田んぼへ入ったときの衝撃」や「放置田ならではの問題」を書きましたが、後編では実際の作業で本当に大変だった部分をまとめます。

結論を先に言うと――
放棄田の再生は、草刈りより “地形を整える作業” が圧倒的にしんどい。

僕自身もやってみて、改めて農家さんの技術のすごさを痛感しました。

10年以上作っていない田んぼは復活できる? 再生の流れと実際に入って感じたこと(前編)はこちら!


壊れた畔をユンボで直すところから始まった

10年以上放置された田んぼで最初にぶつかるのが、

「畔(あぜ)が壊れている問題」。

草や木の根でボロボロになっていたり、獣の通り道ができていたり、雨で崩れた跡があったり…。

そのままでは水が溜まらないので、まずはここを直さないと何も始まりません。

▼実際にやったこと

  • ユンボ(バックホー)で崩れた部分を掘り直す
  • 柔らかい土と硬い土を混ぜて締まりやすくする
  • 畔の高さをそろえて“水が逃げないライン”を作る

軽く直すだけ…のつもりが、想像以上に深くえぐれていて、
「これ、田んぼというより河川工事では?」
と思うほど時間がかかりました。

畔を直すだけで、ほぼ一日仕事。
でも、ここを丁寧に仕上げないと、後の作業すべてが無駄になります。


表土のレベルがバラバラすぎてユンボで整地することに

放棄田で長年放っておかれた田んぼは、

  • 高いところと低いところの差が激しい
  • 水がたまる場所と抜ける場所が全然違う
  • 一見平らでも、踏むとデコボコしている

という状態になっていることが多いです。

僕が入った田んぼも、表面だけ見ると草原みたいに見えるのですが、実際には起伏がめちゃくちゃ

トラクターで耕す前に、これをある程度そろえないと、
「水が溜まる → 乾く → 溜まらない → 雨で偏る」
の繰り返しになり、田んぼが安定しません。

▼そこで行ったのが “ユンボでの整地”

  • 表面の土を少しずつ削り、均しながら移動
  • 高いところの土を低いところへ移す
  • トラクターが入れるように最低限の平坦化

ユンボ作業は思っていた以上に体力と集中力を使います。

土の固さが違うと削れる量が変わってしまうため、
「あ、ここ柔らかい」「ここ硬い」と確認しながら調整。

放棄田の再生は、体力より技術と根気の勝負だと感じました。


作業する前に「オートレベル」で測量したのが大正解だった

今回の放棄田再生の中で、やって良かったことNo.1はこれです。

オートレベル(自動レベル測量器)で田んぼの高さを測り、平均値を出したこと。

見た目だけでは絶対に判断できないレベルの微妙な高低差があるので、
最初に測量しておくと、

  • どこが高いのか
  • どこが低いのか
  • 土をどこに動かせば全体が揃うか

が一発でわかります。

▼やった流れ

  1. 畔の四隅にスタッフ(測量棒)を立てる
  2. オートレベルで高さを測る
  3. 平均値を基準にして「どこを削るか」「どこに土を盛るか」を決める
  4. ユンボで実際に整地に入る

測量をすることで、整地作業の“正解”が見えるようになり、
無駄な作業をかなり減らせました。

初心者ほど、これは超おすすめの工程です。


実際に整地すると分かる「平らにする」の難しさ

田んぼの整地は、

「平らに見える ≠ 平ら」

これを痛感しました。

  • 1~2cmの誤差でも水の溜まり方が変わる
  • 表土の固さが違うと均しても均しても揃わない
  • 土を削りすぎて“足りなくなる”こともある

ユンボのバケットの角度を1~2度変えるだけで結果が変わるし、
少し気を抜くとすぐに“波打った地面”ができます。

正直、僕はここが一番難しかったです。
経験の差がめちゃくちゃ出る作業でした。


畔の補修→整地→耕起で、ようやく田んぼの形に

畔と表土が整うと、
いよいよトラクターを入れて耕起(耕す作業)へ。

放棄田は根が深いので、何度か耕す必要がありますが、
畔と表土が整っていると耕起の効率も段違いに良くなります。

作業を終えたあと田んぼを眺めると、
「ここまで戻るんだ……」
と、少し感動しました。

もちろんまだ完全ではありませんが、
“田んぼとして息をし始めた”感じがありました。


再生後の田んぼはどう変わった?

  • 畔がしっかりして水が逃げなくなった
  • やわらかい土の層が戻った
  • 以前より均等に水が回るようになった
  • 機械作業がかなり楽になった

特に水の動きが改善したことで、
「この田んぼ、来年は本当に使える」
という実感が持てるようになりました。


来年に向けて必要なメンテナンス

放棄田は、一度整えてもすぐに元には戻りません。
来年の田植えに向けて、以下の手入れが必要だと感じています。

  • 冬と春の草刈り
  • 一度軽めに耕して地面を柔らかくする
  • 畔の補修(雨で崩れた部分のチェック)
  • 代かき前の最終整地

とくに畔は、雨で簡単に崩れるので要注意です。


✨まとめ

再生の要点は3つでした。

① 壊れた畔をユンボで丁寧に直す
② 表土の高さをオートレベルで測り、“正しい整地”をする
③ ユンボで高低差をならし、田んぼの形を取り戻す

正直、放棄田の再生は簡単ではありません。
でも、ひとつひとつ地道にやっていくと、
田んぼは少しずつ“生き返っていく”のを感じました。

来年から本格的に米づくりが始まるので、
この田んぼがどう育っていくのか、僕自身も楽しみです。

にじいろ商店

こんにちは。
高校卒業後、10年の土木経験を経て28歳で独立。
大好きだった祖母が残した田んぼを継ぎたいと思い31歳から兼業で米農家の道へ。
農業知識0から米農家へ、どんなものがたりが待ち望んでいるのか。
毎日楽しみながら投稿してます。

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