🌾 農業知識0から米農家へ|農業初心者の一年計画づくり

「来年はいよいよ、自分の田んぼで米をつくる。」
そう決めたとき、最初に頭に浮かんだのは「何から始めたらいいんだろう?」という不安でした。
田んぼの準備、苗づくり、肥料、天気――。聞けば聞くほど、覚えることの多さに驚かされます。

それでも、一年の流れをざっくりでも把握しておくことで、見通しがぐっと明るくなりました。
今回は、そんな「初めての米づくり」に向けて考えた一年の計画づくりについてお話しします。


◆ 一年のスタートは「春」から

米づくりの一年は、春の田起こしから始まります。
冬の間に田んぼの水が抜け、土が乾いてくる3月頃。
いよいよトラクターを動かして土を起こす時期です。

ただ、ここに至るまでにやることは意外と多く、
肥料の準備、苗の注文、機械の点検……。
この段階で抜けがあると、春の作業がバタバタしてしまいます。

ベテランの農家さんに教わったのは、
「春は天気との勝負。段取りが8割だよ」という言葉。
初心者の自分は、3月を“動き出す月”、4月を“田起こしを終わらせる月”と決めて、
ざっくりとした計画表を作ってみることにしました。


◆ 春:田起こしから田植えへ

春はまさに「農家のエンジンがかかる季節」。
田起こしが終わったら、水を入れて土をならす“代かき”、
そしていよいよ“田植え”へと進みます。

この時期は、気温・天気・水の状態のすべてが作業に影響します。
晴れた日にトラクターを入れ、風が穏やかな日に代かきをする――。
自然と向き合う日々が続きます。

初めての年は、苗がうまく育つか、田んぼがちゃんと均されるか、
とにかく心配ごとが尽きません。
でも、失敗も全部経験。
「今年はうまくいかなかった」が、次の年の「ここを直そう」につながる。
そう考えると、少し気が楽になります。


◆ 夏:草との戦いと水管理

田植えが終わったら、今度は草との戦いが始まります。
稲が成長する夏は、雑草も全力で育つ季節
放っておくとあっという間に田んぼが緑一色になります。

水の管理も欠かせません。
乾きすぎてもダメ、深すぎてもダメ。
「田んぼの水加減は毎日見なさい」と、近所のおじさんに教わりました。

夏の太陽の下での作業はきついけれど、
風にそよぐ稲の葉の音を聞いていると、不思議と気持ちが落ち着きます。
田んぼに立つ時間が、自分にとっての“日課”になっていく季節です。


◆ 秋:収穫の喜びを目指して

秋になると、田んぼが少しずつ黄金色に染まり始めます。
9月頃には稲穂が頭を垂れ、風に揺れるその姿に思わず見とれてしまうほど。

初めての収穫は、きっと特別な体験になるはずです。
稲刈りの音、乾燥機の香り、袋に詰めたばかりの自分の米――。
すべてが新鮮で、少し感動的。

作業としては、刈り取り・乾燥・もみすり・袋詰めと続き、
思っていたよりも手間が多いですが、
その分だけ「ここまでやってきた」という実感も大きくなります。


◆ 冬:静かな時間と振り返り

収穫を終えた田んぼは、静かで少し寂しい風景に変わります。
でもこの時期こそ、次の年につながる大事な時間です。

壊れた農具を直したり、倉庫を片づけたり。
地域の方々とお茶を飲みながら、「今年はどうだった?」と話すのも楽しみのひとつです。
「田植えの時期を少し早めたい」「肥料を変えてみよう」など、
思いついたことをメモしておくと、次の春に役立ちます。


◆ 初心者の計画づくりで大切にしたいこと

農業の計画づくりで一番大事なのは、完璧を求めないことだと思います。
天候や地域の事情で予定通りにいかないことはたくさんあります。

だからこそ、ざっくりとした“目安”を持ちながら、
少しずつ経験を積んでいくことが大切。

たとえば、
「この月はこれを終わらせる」
「ここで一度田んぼを見直す」
そんな区切りを作っておくだけでも、心に余裕ができます。

計画を立てることは、作業を管理するだけでなく、
自分の“成長を記録する”ことでもあるのかもしれません。


◆ まとめ

来年が、ぼくにとって本当の意味での「米づくり元年」。
この一年計画をもとに、実際の作業に挑戦していく予定です。

わからないことだらけですが、
地域の方々に教わりながら、一歩ずつ進んでいけたらと思っています。
きっと失敗もたくさんあるでしょう。
でも、それも含めて“自分の田んぼの物語”になるはずです。


🌾 次回予告

次回は、ちょっと気分を変えて
**「1反あたりの売上と経費をざっくり計算してみた」**をお届けします。

「米づくりって、実際どれくらいお金がかかるの?」
そんな素朴な疑問に、初心者の視点からリアルに迫ってみます。
数字の話ですが、肩の力を抜いて読める“ざっくり版”です。

どうぞお楽しみに!

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