「農業って、時間が自由でいいね」
そう言われることがあります。
でも、実際に田んぼに立ってみるとわかるのは——農業の時間は“自由”というより、“自然と共に動く”ということ。
たしかにサラリーマンのような決まった出勤時間はありません。
けれど、天気や季節、稲の成長に合わせて動く毎日には、また別の“自由”があるのです。
今回は、来年から初めて米づくりに挑戦する私が感じた、
**「農業で自由な時間を手に入れるための考え方」**をお話しします。
◆ 忙しい時期とゆとりのある時期を知る
まず最初に知っておきたいのは、農業には**「波」**があるということです。
米づくりで言えば、
- 田植え前(4〜5月)
- 収穫期(9〜10月)
この時期はどうしても忙しく、朝から夕方まで動きっぱなしです。
一方で、
- 冬(12〜2月)
- 収穫後の合間(10〜11月)
この時期は比較的時間に余裕があります。
つまり、農業は「常に忙しい仕事」ではなく、季節ごとのリズムがあるんです。
このリズムを理解することで、次の予定や休みを自分で決めやすくなります。
たとえば、冬にゆっくり計画を立てたり、SNSや直販サイトの準備を進めたり。
“ゆとりの季節”を上手に活かすことが、自由な時間を育てる第一歩です。
◆ 作業を分けて「時間の見える化」をする
農業は、やることが多い分、段取り次第で1日の流れが変わります。
私が教えてもらったのは、
「今日は“どこまでやるか”を朝に決めておくといい」
ということ。
たとえば、午前中はトラクター作業、午後は草刈り、夕方は機械の掃除やメンテナンス。
大まかでもスケジュールを決めるだけで、作業の区切りがつきやすくなります。
そしてもうひとつ大事なのは、**「天気と相談する」**こと。
晴れの日にやるべき作業、雨の日に向いている作業を分けておくと、無理がなくなります。
雨の午後に家で記録をまとめたり、SNSで発信したり。
そんなふうに、“働く時間と休む時間”のバランスを自分で調整できるのが、農業のいいところです。
◆ 機械と段取りで“手間”を減らす
自由な時間を増やすには、手間を減らす工夫も欠かせません。
たとえば草刈り。
一度に全部やろうとすると大変ですが、数日ごとにエリアを分けることで、体の負担も時間の余裕も変わります。
また、トラクター作業も「草を刈った直後に耕す」といった段取りを意識することで、効率がぐっと上がります。
(これは、隣のベテラン農家さんから教えてもらった大切なコツです。)
農業は力仕事というより、“段取りの仕事”。
一手先を考えるだけで、時間の使い方が大きく変わってくるのです。
◆ 複業で“時間の自由度”を高める
ここ数年、「複業農家」という言葉をよく聞くようになりました。
たとえば、
- 春〜秋は米づくり
- 冬は直販サイト運営やデザインなどの在宅ワーク
- SNS発信でファンづくり
こうしたスタイルは、季節の波に合わせて仕事を組み合わせることで、
収入と時間のバランスをとることができます。
実際、私の周りでも「冬は農業体験イベント」や「野菜セットのオンライン販売」など、
自由な時間を活かして新しい挑戦をしている人が増えています。
“自由”とは、ただ休むことではなく、自分のペースで選択できる状態のこと。
農業は、その自由をつくる土台になると感じます。
◆ 自然のリズムに合わせて暮らす
農業をしていると、「自然が止まる時期」に人間も自然と落ち着いてきます。
冬、田んぼが静かになると、心にも不思議な余裕が生まれます。
サラリーマン時代は、1年中“動き続ける”感覚がありました。
でも今は、自然のサイクルに合わせて「休む」ことができるようになりました。
自然と共に働き、自然と共に休む。
このリズムの中にこそ、“本当の自由”があるのかもしれません。

◆ まとめ:自由は“つくる”ものではなく“育てる”もの
農業をしていると、自由な時間は“勝手に手に入る”ものではありません。
段取りや工夫、そして季節ごとのリズムを理解する中で、少しずつ育っていくものだと感じます。
私もまだ学びの途中ですが、
- 自分で時間を決める自由
- 自然に合わせて生きる自由
- 好きな暮らしを選ぶ自由
そのどれもが、農業を始めたからこそ感じられる“豊かさ”です。


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