農業を始めると、よく耳にするのが「農業は収入が不安定」という言葉です。
たしかに、天候や価格の変動など、自分ではどうにもできない要素が多いのが農業の現実です。
ですが、仕組みを整えれば安定させることは十分に可能です。
今回は、僕自身が学んだ「収入を安定させる3つの仕組み」について紹介します。
これから米づくりを始める方や、農業を続けていきたい方の参考になればうれしいです。
◆ なぜ農家の収入は不安定と言われるのか
まずは「なぜ不安定と言われるのか」を整理してみましょう。
大きく分けると、次の3つが理由です。
- 天候による収量の変動
台風や長雨などで収穫量が減ると、その年の売上は一気に下がります。 - 相場の変動
米価が下がれば、同じ量を作っても収入は減ります。 - 作業量とコストのバランス
燃料費や肥料代が上がれば、利益が圧迫されます。
こうした外的要因は避けられません。
しかし、**「リスクを分散する仕組み」**を作ることで、安定に近づけることができます。
では、そのための3つの仕組みを見ていきましょう。
◆ 仕組み①:販売ルートを分散する(直販 × 地域販売 × JA)
まずは「販売ルートの分散」です。
多くの農家さんがJA出荷をメインにしていますが、それだけに頼ると相場に大きく影響されます。
一方で、直販や地域への小口販売を組み合わせると、価格を自分で決められる部分が増えます。
僕の地域では、
- JA出荷で安定した売上を確保しつつ、
- 一部を個人のお客さんや知り合いに販売している農家さん
が多いです。
こうすると、JA価格が下がっても、直販分でバランスを取ることができます。
さらに、直販はお客さんの声が直接届くのも魅力です。
「おいしかった」「また買いたい」と言ってもらえると、次の年へのモチベーションにもなります。
安定=一つの道に頼らないこと。
販売ルートをいくつか持つだけで、経営のリスクはぐっと下がります。
◆ 仕組み②:複数の収入源を持つ(副業・加工・委託作業など)
2つ目は、複数の収入源を持つことです。
たとえば冬の時期。田んぼの作業が少ない時期に、
- 草刈りや除雪などの委託作業
- 米ぬかを使った堆肥販売
- 加工品(米粉や餅、甘酒など)の販売
を行っている農家さんもいます。
実際、僕の地域では「冬は米の乾燥調製機を使って委託精米をしている」という方も。
農閑期を上手に使うことで、年間収入を安定させているんです。
また、最近ではSNSやネット販売を通じて、地域外の人に販売する動きも増えています。
作ったお米を「届けたい人に直接届ける」仕組みを作ることが、安定収入の第一歩になります。
農業は“作る仕事”だけでなく、“届ける仕事”でもあります。
販路を増やすことは、収入を増やすことだけでなく、お客さんとの信頼関係を築くことにもつながります。
◆ 仕組み③:コストと労力を管理する(外注・機械シェア・作業計画)
3つ目は、出ていくお金と時間をコントロールすることです。
収入を増やすのはもちろん大切ですが、
「無駄な支出を減らす」ことも、安定には欠かせません。
たとえば、
- トラクターやコンバインを地域でシェアする
- 苗づくりを外注する
- 作業を計画的に分散する
こうした工夫をするだけで、経費と作業負担は大きく変わります。
僕もおじさん農家から「機械は持たずに、まずは借りろ」とよく言われます。
初期費用を抑え、必要なときにだけ使う。これも立派な“経営判断”です。
また、作業を見える化するのもおすすめです。
1反あたりのコストや労働時間をざっくり記録しておくと、
「次の年はどこを効率化できるか」が見えてきます。
農業の安定とは、“大きく稼ぐこと”ではなく、
ムリなく続けられる仕組みを作ることなんだと、最近実感しています。
◆ まとめ:安定とは「変化に対応できること」
農業は、自然と共に生きる仕事です。
だからこそ、“変化に対応できる仕組み”を持つことが一番の安定になります。
- 販売ルートを分ける
- 複数の収入源を持つ
- コストを管理する
この3つを少しずつ整えることで、「今年どうなるかな…」という不安が減り、
「来年はこうしよう」と前向きに考えられるようになります。
僕もまだ始めたばかりですが、
小さな田んぼからでも、こうした工夫を積み重ねていけば
“安定して続けられる農業”に近づけると感じています。



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