お米を作ることに集中していると、つい後回しになりがちなのが「販売」のこと。
でも実際には、どう売るかで利益が大きく変わるのが米づくりの現実です。
この記事では、福岡県朝倉市で米づくりを始める準備をしている私が、地域の農家さんの話や自分の計画をもとに、直販で利益を伸ばすための工夫を紹介します。
前回の記事では、1反あたりの売上と経費を計算して、ざっくりと利益をイメージしてみました。
結果として、1反でおよそ17〜18万円の利益。数字が見えてくると次に考えたくなるのが、「どうやって売るか」という“販売の形”です。
農業は「作る」だけでなく「売る」までが仕事。今回は、米の直販で利益を伸ばすための工夫について、地域の農家さんの話や、自分の今後の計画を交えながら考えてみたいと思います。
◆ JA出荷と直販の違いとは?
お米の販売といえば、まず思い浮かぶのがJA(農協)への出荷です。
地域全体でまとめて出荷できるので、価格や検査の仕組みも整っており、初心者にとっては安心感があります。
ただ、その一方で地域の農家さんたちはこう話していました。
「JAに米を持って行くのは、自分の倉庫に積んだ米をまたトラックに積み直して全部運ぶことになる。だからうちは、売れ残った時だけJAに持って行くようにしてるんだ。」
つまり、出荷の手間や時間を考えると、毎回JAに持ち込むのは大変だということです。
また、JA出荷では地域の相場に左右されるため、自分で価格を決めることはできません。
安定して買い取ってもらえる一方で、利益率はどうしても低くなりがち。
そこで注目されているのが「直販(個人販売)」です。
◆ 直販のメリットと難しさ
直販の最大のメリットは、自分で価格を決められること。
たとえば、手間をかけた特別栽培米や農薬を減らしたお米など、付加価値を伝えられれば、JA出荷より高く販売できる可能性があります。
さらに、購入者の声が直接届くのも大きな魅力です。
「美味しかった」「また買いたい」といった言葉をもらえると、次のやる気にもつながります。
一方で、難しさもあります。
- 販売用の袋詰めや発送作業の手間
- 新規のお客さんをどう見つけるか
- 支払い管理やクレーム対応
つまり、販売スキルと時間の確保が必要になります。
「農業+販売業」としての視点を持つことが、直販を成功させる鍵です。
◆ 小規模農家でもできる販売の工夫
大規模な販路を持たなくても、工夫次第で販売の幅は広げられます。ここでは、私自身がこれから実践したいこと、そして地域の農家さんから学んだヒントをいくつか紹介します。
● リピーターづくり
一度買ってくれたお客さんにまた選んでもらえるように、「顔の見える農家」を意識します。
お礼のメッセージや、田んぼの様子を写真で伝えるだけでも、距離がぐっと縮まります。
特にお米は日常の食べ物なので、「この農家さんのお米を毎年買いたい」と思ってもらえる関係づくりが大切です。
● パッケージやブランドの工夫
「見た目」も印象を左右します。
地域名や品種名をしっかり入れたシンプルなデザインにするだけでも、「この土地で作られたお米なんだ」と伝わります。
最近ではクラフト紙や和紙風の袋など、小ロットでも注文できる資材が増えているので、小規模農家にも取り入れやすいです。
● SNS・ネット販売の活用
私自身、再来年までにはSNSやネット販売を取り入れたいと考えています。
理由は大きく2つ。
1つは、地域の価格に左右されず安定した販売ができること。
もう1つは、全国の需要を見てみたいからです。
Instagramで田んぼの様子を発信したり、BASEやSTORESなどのネットショップを作ったりすれば、遠方のお客様にも直接届けられます。
今のうちから情報発信を少しずつ始めておくのも大事だと感じています。
◆ 地域の農家さんの工夫に学ぶ
朝倉市周辺では、すでに直販を取り入れている農家さんも増えています。
たとえば、ある農家さんは「自分の田んぼの写真付きポストカード」を袋に添えて販売しており、都市部のリピーターが増えたそうです。
また別の方は、地元のカフェや飲食店にお米を卸し、「朝倉産コシヒカリ使用」とメニューに載せてもらうことでブランドを広げていました。
どちらも共通しているのは、「売る工夫」よりも先に「お客さんとの信頼づくり」を大切にしている点。
結局、農業も人とのつながりで成り立っているのだと改めて感じます。
◆ まとめ:売り方も農業の一部
これまで「どう作るか」に集中していましたが、実際に数字を計算してみると、売り方次第で大きく利益が変わることが見えてきました。
JA出荷のように安定を取るのも良し。
直販のように挑戦して広げるのも良し。
自分に合った販売スタイルを少しずつ見つけていくことが、長く続けられる農業につながるのだと思います。
私もまずは地元の方に食べてもらい、その声をもとに、再来年にはネット販売をスタートできるよう準備していくつもりです。


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