小規模農家は10年後どうなっているか

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「小規模農家は将来性がない」
農業を始めると、必ず一度はこう言われます。

確かに、米価の低下、高齢化、担い手不足。
数字だけを見ると、不安になる材料は多いです。

ですが、実際に現場に入り、地域を見ていると
10年後に“消える農家”と“残る農家”の違いが、少しずつ見えてきました。

今回は、これから農業を始める人・始めたばかりの人向けに
小規模農家の10年後のリアルを、現実的な目線でまとめます。


10年後、確実に減っているもの

まず、厳しい現実から。

10年後、確実に減っているのは
**「作っているだけの農家」**です。

・JAに出すだけ
・価格は周り任せ
・経費や利益を正確に把握していない
・後継者がいない

こうした農家は、すでに今も減り続けています。
これは努力不足というより、時代の変化です。

「作れば売れる」時代は、もう終わりました。


10年後も残る小規模農家の共通点

一方で、規模が小さくても
しっかり残っている農家には共通点があります。

それは、

・規模より「考え方」を変えている
・数字を見て経営している
・売り方を少しずつ工夫している

という点です。

反数は少なくても、
「このくらい作って、これくらい残ればOK」
という基準を持っています。


規模拡大しない農家が増えている理由

10年後、すべての農家が規模拡大を目指すわけではありません。

むしろ増えているのは、
**「あえて大きくしない農家」**です。

理由はシンプルで、

・機械投資のリスクが大きい
・人手不足
・体力的な限界
・天候リスクが読めない

だからこそ、

・無理に田んぼを増やさない
・管理できる範囲で続ける
・単価や売り方で調整する

こうした選択をする農家が、10年後は主流になります。


小規模農家は「経営者」になる

10年後も続く農家は、
自分を「作業者」ではなく
「経営者」だと考えています。

・1反あたりいくら残るのか
・どこにお金が出ていっているのか
・来年は何を減らすか、何を増やすか

こうしたことを、毎年少しずつ見直しています。

大きな改革はしません。
でも、小さな改善を止めません。

この差が、10年後に大きく開きます。


直販が「当たり前」になる10年後

10年後、直販は特別なことではなくなっています。

・一部だけ直販
・知り合い・紹介から販売
・SNSで農作業の様子を発信

この程度でも、
「価格を自分で決められる」という点で
農家の立場は大きく変わります。

全部を直販にしなくてもいい。
選択肢を持っていることが強みになります。


小規模だからこそ強い時代へ

10年後の農業は、

・大量生産
・価格競争
・薄利多売

よりも、

・顔が見える
・考え方が伝わる
・共感で選ばれる

こうした価値が重視されます。

これは、大規模農家より
小規模農家のほうが得意な分野です。


今からやっておくべきこと

10年後を不安に思うより、
今やるべきことはシンプルです。

・まずは数字を把握する
・無理な拡大をしない
・続けられる形を探す
・少しだけ「売り方」を考える

完璧じゃなくていい。
一歩ずつでいい。

それが、10年後も田んぼに立っている農家につながります。


まとめ

小規模農家の10年後は、
「厳しい人は本当に厳しい」一方で、
「ちゃんと考えている人は意外と安定」しています。

農業は、
早く始めた人が勝つ世界ではありません。

続けた人が残る世界です。

にじいろ商店

こんにちは。
高校卒業後、10年の土木経験を経て28歳で独立。
大好きだった祖母が残した田んぼを継ぎたいと思い31歳から兼業で米農家の道へ。
農業知識0から米農家へ、どんなものがたりが待ち望んでいるのか。
毎日楽しみながら投稿してます。

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