(初心者でも失敗しないお金の使い方)
農業を始めると、必ず向き合うのが 「どこにお金を使うべきか?」 という問題です。
僕自身、来年から本格的に米づくりを始めますが、農家さんと話す中で強く感じるのは、
小規模農家ほど“投資の判断”が収益を大きく左右する ということ。
必要な投資をケチると作業が進まず、逆に余計な投資をすると資金繰りが苦しくなる…。
このバランスが本当に難しいんですよね。
そこで今回は、初心者の僕でも理解できた
「攻めの投資」と「守りの投資」 の考え方を、実例と数字を交えてまとめました。
◆攻めと守りの投資って何?
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農業では、投資を大きく2つに分けて考えると判断がとてもラクになります。
■ 攻めの投資
→ 収益を増やすための投資
・直販サイトづくり
・ブランドづくり
・販路拡大(飲食店営業、SNS運用)
・高収量や高品質化を目指す肥料・品種選び
・省力化機械(作業時間を減らし販売に時間を回せる)
■ 守りの投資
→ 失敗やリスクを減らすための投資
・機械整備
・保険(農業共済など)
・土づくり
・ハウスや倉庫など、環境を整える投資
・地域との関係構築(最強の守り)
この2種類を意識すると、
「今このお金は何のための支出なのか?」
がハッキリし、判断がぶれなくなります。
◆攻めの投資 ― 小規模農家はどこに使うべき?
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僕が地元の農家さんたちに聞いた中で、
「小規模ほど攻めたほうがいい投資」をまとめると、次のようになります。
■ 1. “直販”に関わる仕組みづくり
これは圧倒的に回収が早い投資です。
- デザインされた米袋
- 簡単なLP(ランディングページ)
- SNSの運用時間
- 顧客管理(リピーターづくり)
直販は利益が2〜3倍になりやすい ので、1反あたりの収益がそのまま跳ね上がります。
■ 2. 作業時間を減らす省力化投資
初心者こそ「時間を買う」考え方が大事です。
- 草刈り機(軽くて扱いやすいもの)
- 整備済み中古トラクターの導入
- 作業着・長靴など快適性アップ
時間が生まれると
→ SNS発信
→ 直販準備
→ 顧客対応
など「攻めの行動」ができるようになります。
■ 3. 品質アップのための投資
- 肥料の選択
- 田植え密度
- 水管理用の器具
高品質になると、直販での販売単価が上げやすく、
1年でリターンが返ってくる投資 が多いです。
◆守りの投資 ― “小規模だからこそ必要な理由”
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小規模農家は 1度のミスの影響が大きい のが特徴です。
たとえば2haの農家と比べ、2反しか作らない農家が失敗したら…
カバーできる面積がない分、収入が大きく減ってしまいます。
だからこそ、守りの投資がめちゃくちゃ大事。
■ 1. 機械整備は「守りの最優先」
特に中古機械は、整備なしで使うと壊れやすいです。
- オイル交換
- グリスアップ
- ベルト劣化確認
これをしておくだけで
収穫期に壊れて全滅 という事態を防げます。
■ 2. 農業共済・保険
気候が不安定な今、
「保険に入る=心の余裕を買う」
という感覚が大事だと思いました。
■ 3. 土づくり
これはお金というより“時間と手間”の投資。
- すき込み
- 稲わら返し
- pH調整
- 水持ち改善
「土が良くなる=毎年の収量が安定する」
最高レベルの守りの投資です。
■ 4. 地域との関係づくり
これは意外ですが、農家さん全員が口を揃えて言う最重要項目。
✔ 機械の借り借り
✔ ノウハウを教えてもらえる
✔ トラブルを防げる
✔ 手助けしてくれる
正直、これがあるだけで投資額が何十万円も変わる ことがあります。
◆攻めと守りの投資を比べた表
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スマホで見やすいようシンプルにまとめました。
| 投資の種類 | 目的 | 代表例 | リターン発生までの期間 | 小規模農家との相性 |
|---|---|---|---|---|
| 攻めの投資 | 収益を増やす | 直販、SNS、ブランディング、品質向上 | 早い(1年以内が多い) | ◎非常に高い |
| 守りの投資 | 失敗を防ぐ | 機械整備、保険、土づくり、地域関係 | 中〜長期 | ◎必須レベル |
◆どこにいくら使うべき?僕なりの答え
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初心者の僕が農家さんから学んだ結論は…
🔵 攻め:守り=6:4がちょうどいい
- 攻めすぎると資金繰りが苦しくなる
- 守りすぎても成長が止まる
バランスが大事なんですよね。
◆まず今日からできる“攻め×守りの戦略”
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初心者が明日からできることは、この3つです。
■ 1. 整備記録ノートを作る(守り)
オイル交換日/部品交換/異音などを記録。
壊れる前に気づけるようになります。
■ 2. SNSアカウントを育てる(攻め)
特別な投稿じゃなくてOK。
「今日の田んぼ」レベルでも立派なブランディングになります。
■ 3. 地域の農家さんと積極的に話す(守り×攻め)
教わる → 失敗しない(守り)
紹介される → 販路が広がる(攻め)
最強の投資です。
◆ まとめ
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攻めの投資は収益を伸ばすため。
守りの投資は失敗を避けるため。
小規模農家ほど、この2つを使い分けることで
“無駄のないお金の使い方” ができます。
これから農業を始める方、僕と同じ初心者の方にも、
少しでも参考になれば嬉しいです。



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