「米農家って儲かるの？」という疑問から、さらに一歩踏み込むと、次に気になるのは**“専業でやった場合、どれくらいお米を作れば生活できるのか”**ということです。
来年から初めて米作りに挑戦するぼく自身も、この計算は何度も頭の中で繰り返しました。今回は、1反あたりの収支をもとに、専業として生活するための目安を考えてみます。
◆ 1反あたりの収支を再確認
前回の記事でも紹介しましたが、1反（約1000㎡）あたりの収穫量は平均で17俵程度。1俵を15,000円で売った場合、売上は約25万5千円です。
経費は苗代・肥料・農薬代で約2万円、トラクターや田植え機などの機械費で3万円、乾燥・調製で2万5千円ほど。
つまり利益は約17〜18万円／反になります。
この数字はあくまで平均的な例ですが、専業として生活するには、この利益を生活費の目安に照らし合わせることが大切です。
◆ 生活費から逆算して必要な反数を計算
今回は、ひと月に30万円の生活費が必要だと仮定します。
1年で必要な生活費は 30万円 × 12か月 = 360万円 です。
1反あたりの利益を17.5万円とすると、
360万円 ÷ 17.5万円 ≒ 20.6反
つまり、約21反（2.1ヘクタール）を作付ければ理論上は生活費をまかなえる計算になります。
もちろんこれは理想的な数字です。
天候や収量のばらつき、機械や燃料費の追加、病害虫リスクなどを考えると、もう少し余裕を見て22反以上の作付けが現実的です。
◆ 専業農家の現実とリスク
専業農家として生活するためには、単純に面積を増やせばよいわけではありません。
- 天候リスク：長雨や干ばつで収量が減ることもある
- 機械トラブル：耕運機やコンバインの故障、メンテナンス費
- 市場価格の変動：JA出荷価格や地域の相場の影響
こうしたリスクがあるため、生活費を安定させるには、面積だけでなく販売方法や工夫も重要です。
◆ 工夫で収益を増やす方法
専業で安定して生活するには、ただ作るだけでなく、工夫で収益を伸ばすことが欠かせません。
- 直販・ブランド化：地域価格より高く販売できる
- ネット販売やSNS活用：遠方のリピーターを獲得
- 複数作物の組み合わせ：お米以外の収入源をつくる
- 農機シェア・リース：初期投資や維持費を抑える
こうした工夫次第で、専業農家としての生活のハードルをぐっと下げることができます。
◆ まとめ：専業として生活するにはある程度の面積と工夫が必要
数字だけで考えれば、生活費30万円／月を確保するには21〜22反程度の作付けが目安です。
しかし、実際には天候や収量の変動、機械費や販売方法などの要素が絡むため、単純な面積だけで生活できるわけではありません。
結局のところ、専業として米農家を続けるには、面積＋販売の工夫＋リスク管理がセットで必要です。
ぼく自身も来年から小さく始めつつ、こうした工夫を学びながら、少しずつ規模を広げていきたいと思っています。
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