◆はじめに|「農業って自由でいいよね」と言われて
農業を始めると、よく言われます。
「農業って自由そうでいいよね」
たしかに、会社勤めのような出勤時間もなく、 スーツを着る必要もありません。
でも、実際に田んぼに立ってみて感じたのは、 “自由に見える”のと“本当に自由”は全く別だということでした。
この記事では、 これから農業を始めたい人に向けて、 農業の自由の裏側を正直に書いていきます。
◆農業は時間が自由?→実際は「縛られる時間」が多い
農業は一見、 「自分のペースでできる仕事」に見えます。
しかし実際は、
- 天気
- 水の状態
- 土の乾き具合
- 周りの田んぼとの兼ね合い
これらに強く縛られます。
◆雨が降れば予定は全部変わる
「今日はここまでやろう」と決めていても、 雨が降れば中止。
逆に、
- 明日から雨が続く
- 今日しかチャンスがない
となれば、 無理してでも今日やることになります。
自由どころか、 自然にスケジュールを握られている感覚です。
◆忙しい時期は、会社員以上に忙しい
農業は、 一年中忙しいわけではありません。
ただし、 忙しい時期に仕事が一気に集中します。
- 田植え前
- 水管理が始まる時期
- 草との戦いが始まる頃
この時期は、
- 朝から田んぼ
- 昼も田んぼ
- 夕方も田んぼ
という日が続きます。
「今日は休もう」という選択肢は、 実質ありません。
◆自由に見えるのは「結果」だけ
外から見ると、
- 平日に作業している
- 昼間に動いている
- 服装も自由
こうした姿だけが見えます。
でもその裏では、
- 事前の段取り
- 機械の準備
- 田んぼの状態チェック
- 失敗しないための判断
これらを常に考え続けています。
自由に動けているのは、 準備を積み重ねた結果でしかありません。
◆「今日は何もしない」が意外と難しい
会社員なら、 休日は仕事から完全に離れられます。
しかし農業では、
- 水は大丈夫か
- 田んぼは荒れていないか
- 雨で崩れていないか
頭の片隅から、 田んぼが消えることはありません。
実際、 「今日は行かなくていいかな」と思っても、 結局見に行くことがほとんどです。
気持ちの上での拘束は、想像以上にあります。
◆それでも農業に「自由」を感じる瞬間
ここまで読むと、 「じゃあ農業って全然自由じゃないじゃん」と 思うかもしれません。
でも、それでもなお、 農業には確かに自由を感じる瞬間があります。
自分の判断で動ける自由
- 誰かに指示されるわけではない
- やる・やらないを自分で決める
- 結果も全部自分に返ってくる
この感覚は、 会社勤めではなかなか味わえません。
成果がそのまま返ってくる自由
- 手をかけた田んぼは、明らかに楽になる
- 準備した分だけ、作業が減る
努力が見えやすい仕事だからこそ、 納得感があります。
◆農業の自由とは「責任を引き受ける自由」
実際にやってみて思うのは、
農業の自由=責任を引き受ける覚悟
だということです。
- 失敗しても誰のせいにもできない
- 判断ミスは全部自分に返る
- 逃げ場がない
でも逆に言えば、
- 自分で決めて
- 自分で工夫して
- 自分で積み上げていける
この自由は、 とても大きいとも感じています。
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◆まとめ|「楽そう」ではなく「納得できる自由」
農業は、
- 楽な仕事ではない
- 気ままな仕事でもない
それでも、
- 自分の判断で動ける
- 積み重ねが未来を楽にする
そんな納得できる自由があります。
これから農業を始めたい人には、
「自由そうだから」ではなく、
「この責任を引き受けたいか」
という視点で、 考えてもらえたらと思います。

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